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つよしさんは江戸時代の「大日本沿海地全図」作成の中心人物として知られる(1)偉人の伝記を読み,測量と数学との関わりに関心を持った.
例えば図1のような海岸の地形において,同一水平面上に点があり,であったとする.点と点の間の距離を求めたい場合にはを用いて計算すると,その距離はとわかる.この様に,直接測量が行えない地点間においても,数学を用いればその距離を知ることができる.
図1 同一水平面上の地点 |
また,水平面上のいくつかの点について相互の距離がわかれば,その点同士を結んでできる三角形の面積を,ヘロンの公式(注1)を用いて求めることができる.例えば図2のような水平で高低差の無い建設現場において,点から点までのつの点があり,点同士の間の距離を測定した結果が表1の通りであったとする.点で囲まれた三角形の面積は,ヘロンの公式を用いてと計算できる.同様の方法で面積を求めていくことで,五角形で囲まれた土地の面積をと算出することができ,角度の情報を得ずとも,土地の面積を計算できる.
図2 高低差の無い建設現場の地点 |
表1 図2における地点間の距離の測定結果 | |
| 測定した地点 | 測定結果 |
| 間 | |
| 間 | |
| 間 | |
| 間 | |
| 間 | |
| 間 | |
| 間 | |
次に,つよしさんは地図と数学との関わりに関心を持ち,図3のような縮尺万分のの地図を作成し,地理と数学を合わせた問題をつくることにした.この地図は上側を真北としており,山頂の真南に地点地点の真西に地点がとられている.地図上の地点同士の長さを測ったところ,直線の長さは直線の長さはであった.これらのことから,図3の地形が実際に存在していたとすると,地点と地点の水平距離は地点と地点の水平距離は地点と地点の水平距離はであると推計できる.
実際の空間上では,水平距離だけでなく垂直距離(すなわち標高差)もあるため,地点と地点の距離はよりもなる.垂直距離を知る手がかりは,地形上の同じ標高の点同士を結んだ線であるであり,地点の標高は地点の標高はであることが読み取れる.また,標高のわかっているいずれかの地点から他の地点を見上げたとき,水平面からの仰角を計測することで,(2)他の地点の標高も推計できる.
図3 つよしさんの作成した地図 |
(注) 出題のため拡大しており,本文に表記された縮尺とは異なる.また,図中に示された標高の単位はである. |
つよしさんはさらに,天文学における距離の測定に関心を持った.調べてみたところ,図4のように(3)太陽系から遠く離れた天体までの距離を測定する方法のつに,地球の公転による,恒星を観測した際の角度の変化を用いる方法があることを知った.
以上のように多くの測量の場面で数学が用いられていることを知り,つよしさんはますます数学に対する興味を深めていった.
図4 太陽,地球,および遠方の恒星の模式図 |
(注1) ヘロンの公式:三角形の辺の長さをそれぞれとしたとき,その三角形の面積はである.ただし
問1 下線部(1)について,偉人の人物名を漢字で答えなさい.
問2 に当てはまる語句を以下の(ア)〜(エ)の中からつ選び,記号で答えなさい.ただし,図1中に以外の点を設けずに,の距離が求められるものを答えなさい.また,に当てはまる数値を計算により求め,答えなさい.ただし,の解答欄には答えのみを記入し,根号を含む形で解答する場合には,根号の中に現れる自然数が最小となる形で答えなさい.
(ア)正弦定理
(イ)余弦定理
(ウ)三平方の定理
(エ)中点連結定理
問3 およびに当てはまる数値を計算により求め,それぞれ答えなさい.ただし,解答欄には答えのみを記入し,根号を含む形で解答する場合には,根号の中に現れる自然数が最小となる形で答えなさい.
問4 に当てはまる語句または数値をそれぞれ答えなさい.ただし,については「長く」または「短く」のいずれかの語句で答えなさい.また,根号を含む形で解答する場合には,根号の中に現れる自然数が最小となる形で答えなさい.
問5 下線部(2)について,図3の地形が実際に存在しており,地点から山頂を見上げた時,水平面からの仰角はであったとする.このとき,山頂の標高を求めなさい.ただし,観測者の身長は無視するものとする.なお,解答用紙の「式」欄には答えの導出に至るまでの考え方と計算過程を文章や図を用いて記入しなさい.
また,解答用紙の「答え」欄は根号や小数を用いずに整数で解答することとし,単位はで答えなさい.この際,必要に応じてとして計算し,小数第位を四捨五入しなさい.
問6 下線部(3)について,図4における太陽から恒星までの距離をとする.このとき,を本文や図4中の記号を用いて,文字式で表しなさい.ただし地球は太陽を中心とした半径の真円の軌道を一定のペースで進み,ちょうど年で周するものとし,恒星と太陽を結ぶ直線は,地球の公転面(地球の公転軌道が属する平面)と直交するものとする.また,角度は「ある時点での地球と恒星を結ぶ線分」との時点からちょうど半年後の地球と恒星を結ぶ線分」のなす角とし,を超えないこととする.